神経難病患者が利用できる保健医療費の援助にはどのようなものがありますか?

  1. 高額医療費の助成 (平成13年1月1日より)

    医療費の自己負担が一定限度を超えた場合、自己負担限度額を超えた部分について保険者に申請すると申請から約3ヶ月後に超過分がもどってきます。

    その限度額は、所得額と保険の種類によって異なり、

    1. 一般(老人保険以外)では、
      • 一般の場合、
            72,300円 +(医療費 - 241,000円)x 1%

      • 上位所得者では、
            139,800円 +(医療費 - 466,000円)x 1%

        *上位所得者とは、健康保険では、標準報酬月額56万円以上の者、国民健康保険では、市町村民税の算定基礎となる総所得金額が670万円以上の者です。

      • 低所得者(住民税非課税世帯)では、 
            35,400円です。

        *但し、4月目からの自己負担限度額は、24,600円になります。

    2. 老人保険制度加入者では、
      • 一般には、       世帯負担限度額: 37,200円 / 月
        *但し、同一世帯の複数の老人が入院した場合で、同一医療機関に1月30,000円以上の自己負担があるときには、自己負担分を世帯合算する。

      • 低所得者では、
         住民税非課税世帯   世帯負担限度額: 24,600円 / 月

        *但し、同一世帯の複数の老人が入院した場合で、同一医療機関に1月21,000円以上の自己負担があるときには、自己負担分を世帯合算する。

         老齢福祉年金受給者  世帯負担限度額: 15,000円 / 月

        

  2. 特定疾患治療研究事業(難病の医療費助成)

    原因が不明で治療法が確立されていないいわゆる難病は、厚生省により45(平成15年10月現在)が特定疾患研究対症疾患に指定されており、申請により治療費の扶助を受けることが出来ます。
    しかし、入院時の差額ベットや介護人の費用など保健診療の適応となっていないものについては対象とはなりません。手続きは、医師の診断書とともに保健所に申請することです。

    特定疾患治療研究対象疾患のリスト

    また、疾患によっては都道府県で単独事業として医療費の補助をしているものがあります。

    都道府県単独事業による神経疾患に対する医療費の援助

    特定疾患認定患者で全額公費負負担を受けられる方と、一部自己負担の必要な方とがあります。(平成10年5月より)

    神経難病で全額公費負担を受けられる方は、

    1. スモン、クロイツフェルト・ヤコプ病、劇症肝炎、重症急性膵炎
    2. 日常生活に著しい支障のある重症の難病患者(身体障害者手帳の1〜2級相当ですが、申請により知事が認定します)
      その認定の基準は 

    3. 低所得者
    一部自己負担の必要な方の自己負担限度額は、

    特定疾患治療研究事業における自己負担限度額表
    階層区分対象者別の一部自己負担の月額限度額
    入院外来等生計中心者が患者本人の場合
    生計中心者の市町村民税が非課税の場合0円0円0円
    生計中心者の前年の所得税が非課税の場合4,500円2,250円対象患者が生計中心者であるときは、左欄により算出した額の1/2に該当する額をもって自己負担額とする
    生計中心者の前年の所得税課税年額が10,000円以下の場合6,900円3,450円
    生計中心者の前年の所得税課税年額が10,001円以上、30,000円以下の場合8,500円4,,250円
    生計中心者の前年の所得税課税年額が30,001円以上、80,000円以下の場合11,000円5,500円
    生計中心者の前年の所得税課税年額が80,001円以上、140,000円以下の場合18,700円9,350円
    生計中心者の前年の所得税課税年額が140,000円以上の場合23,100円11,550円

    *上記の額は、医療機関(診療科)毎の1ヶ月の負担額です。
    *同一生計内に2人以上の対象患者がいる場合の2人目以降のものについては、上記の表に定める額の1/10に該当する額を持って自己負担となります。

    また、ベーチェット病、皮膚筋炎・多発性筋炎、重症筋無力症などの疾患の場合には、症状が軽快した時点で公費負担はなくなりますが、再び症状の悪化が医師により確認されれば、再申請により公費負担の受給者証を得ることが出来ます。
    *訪問看護、院外処方箋による薬剤費については、引き続き、全額公費負担となります。

        軽快者の基準が適用される疾患には

  3. 介護保険によるサービスの利用

    65歳以上の高齢者が対象ですが、若年者でも脳血管障害(脳出血、脳梗塞、くも膜下出血など)、変形性関節症の方や筋萎縮性側索硬化症、脊髄小脳変性症、パーキンソン病、シャイ・ドレーガー症候群、脊柱管狭窄症、後縦靭帯骨化症などの特定疾患の方は「特定疾病」としてサービスの対象となります。
    サービスとしては、訪問介護、訪問看護、訪問入浴介護、訪問リハビリ、通所介護(デイサービス)、通所リハビリ、福祉用具貸与、短期入所生活介護(ショートステイ)、短期入所療養介護(老人保健施設などへの短期入所)があります。

    身体障害者手帳所持者が介護保険の利用者となった場合、住宅改修、福祉用具の貸与など介護保険と重複する項目は全て介護保険が優先され、リースなどの費用が1割負担で続きますので、介護保険を申請する前にどの福祉制度を利用すべきか、必要な事項について慎重に検討する必要があります。
    介護保険について

    介護保険で貸与してもらえる福祉用具

    介護保険で購入費の支給を受けることの出来る特定福祉用具
    • 腰掛け便座(和式便器の上に置いて腰掛け式に変換するもの、洋式便器で用いる補高便座電動式またはスプリング式の起立補助便座、ポータブル便器)
    • 特殊尿器
    • 入浴補助用具(入浴用いす、浴槽用手すり、浴槽内いす、入浴台、浴室内すのこ、浴槽内すのこ)
    • 簡易浴槽(空気式または折り畳み式で容易に移動できるもの)
    • 移動用リフトの吊り具の部分

    介護保険による補助を受けることの出来る住宅改修の種類

    介護保険による住宅改修の費用は支給上限が20万円(1割の自己負担)と決まっています。再度、この制度を利用できるのは転居した場合と、介護度が3段階以上上がった場合に限り可能です。

    • 手すりの取り付け(取り付けのための壁の下地補強を含む)
    • 段差の解消(市域を低くする工事、スロープを設置する工事、浴室の嵩上げ、それに伴う給排水設備工事など)
      昇降機、リフト、段差解消機など動力により床段差を解消する機器を設置する工事、及び玄関の外から道路までの段差解消などの工事は除かれる。
    • 滑りの防止、移動の円滑化などのための床材の変更(畳敷きから板製床材、ビニール系床材への変更など。下地の補修や根太の補強を含む)、屋外でのコンクリートやアスファルト舗装のための整地も含まれます。
    • 引き戸などへの扉の取り替え(それに伴う壁または柱の改修工事を含む)
    • 洋式便器などへの便器の取り替え(それに伴う給排水設備工事、床材の変更を含む。ただし、水洗化、または簡易水洗化に関わるものを除く)
    • 上記の住宅改修に付帯して必要となる住宅改修

  4. 訪問看護ステーションの利用

    在宅の人工呼吸器装着患者さんに対する訪問看護ステーションなど医療機関による訪問看護の費用が、年間260回まで負担してもらえます(1週間に5回が限度)。申請書を保健所に提出すれば、都道府県から支給されます。また、在宅の呼吸器装着難病患者の場合には、保健診療とは別個に複数の訪問看護ステーションの利用が許されています。

  5. 小児慢性特定疾患治療研究事業(治療費公費負担)

    18歳未満の小児が対象で、神経小児科関係では神経筋疾患などが対象となります。

  6. 更生医療(18歳以上)育成医療(8歳未満)

    身体障害者が指定医療機関で障害の除去、軽減、増悪の防止のために行う手術や人工透析療法や中心静脈栄養法のように内的身体機能を代償するなどの医療の給付を行う制度です。

  7. 進行性筋萎縮症者(児)療養費の給付

    進行性筋ジストロフィーを初めとする進行性筋萎縮症患者(18歳以上)(児)(18歳未満)が必要としている医療、訓練、療育を受けるときの費用を公費負担する制度です。
    これらの患者(児)が、国立療養所の進行性筋萎縮症病棟(通称筋ジス病棟)や肢体不自由施設へ入院(所)するときは、図のような経路をとります。

    筋ジス病棟への入所手続きの図解

    なお、症候的に進行性筋萎縮症を呈する筋萎縮性側索硬化症は、特定疾患の対象となり、本項には該当しません。


  8. 重度障害者(児)医療費助成制度

    県の事業として、重度の障害者(児)が病院で要した医療費の自己負担分を助成する事業です。身体障害者手帳1〜2級(県によっては3級のところもあります)、療育手帳Aの保持者が対象となります。 

  9. 精神障害者医療費公費負担

    精神障害者(てんかんを含む)が、入院または通院に要する費用の全額または一部を公費で負担する制度です。

  10. 針・灸・マッサージ公費負担

    特定疾患に指定されているスモンのみが対象とされています。

  11. 療養資金の貸し付け(生活福祉資金)

    低所得、高齢者世帯で家族などが療養するのに必要な資金の貸し付け(限度額38万円、償還期限5年、利子年3%)を行う制度です。

  12. 医薬品副作用救済基金

    医薬品の副作用により、疾病、障害、死亡したときに、被害者を補償する制度で、給付には医療費の自己負担額、医療手当、障害年金(1・2級)、障害児療育年金(1・2級)、遺族年金、遺族一時金、葬祭料があります。
    医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構(医薬品機構)


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