- 臨床症状と経過,遺伝歴でおおよそ診断がつきますが、優性遺伝で似た症状を示す疾患としては、他にも歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)などがあり、鑑別の手段として頭部断層撮影(CT)や核磁気共鳴(MRI)検査が有用です。これらの検査で尾状核の萎縮による側脳室(特に前角)の拡大、大脳皮質の萎縮による脳溝の拡大がみられます。さらに、遺伝子診断が可能で、遺伝歴が明らかでない場合には特に有用です。
ハンチントン病の脳MRI所見について
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- 近年、分子遺伝学の発達,検査技術の開発や進歩により、遺伝子診断が可能な病気が飛躍的に増加しています。ハンチントン病においても遺伝子診断が可能となり、患者自身の診断確定とその後の療養上の注意や家族の生活設計の上で有用です。さて、本疾患は優性遺伝ですので異常遺伝子が50%の確立で子供に伝わります。子供が異常遺伝子を受け継いでいる(保因者)かどうかをみるために検査をするか否かは大きな問題です。保因者であれば100%の確立で発症し、しかも 現在治療法がない上に人格変化という自分が自分でなくなるという症状のため、発症までを不安と恐怖のなかで過ごさなければなりません。また、遺伝子検査を受けない場合も保因者かどうか悩み、不安のなかで過ごすことになります。そのため子供に病気についての情報を伝えるかどうか、伝えるとすればどの程度までどの様に伝えるか、遺伝子診断をどうするかは家族にとっても医療者側にとっても非常に深刻な問題です。まだコンセンサスはなく、患者の配偶者や親とよく相談しながらケースバイケースで対処しているのが現状です。
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- 肉眼的には大脳の線状体(尾状核および被核)と皮質の著明な萎縮があります。顕微鏡的には線状体の神経細胞の著しい変性・脱落を認め、なかでも約90%を占める小細胞に著明です。そのため、症状として舞踏運動といわれる不随意運動が出現します。経過の長い例や若年発症例の筋強剛型では大細胞の脱落も著しいと言われています。大脳皮質では層構造の乱れがみられます。
Cerebrum of Huntington's chorea
ハンチントン舞踏病の脳
(国立療養所犀潟病院神経病理部門 巻渕隆夫博士提供)

脳を左側から見ています。
外表からは大脳の前頭葉が軽度萎縮しているのみです。
次の中から選んでください。
Aの線のレベルで大脳を切った割面を見る。
Coronal section of cerebrum of Huntington's chorea
ハンチントン舞踏病の大脳

基底核の尾状核(矢印)が萎縮しています。
そのため脳室が拡大してます。
前に戻る。
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- 線状体には黒質網様質や淡蒼球に神経突起を伸ばして情報を送る小細胞と、大脳の他の部位からの情報を受け取って小細胞への中継ぎをする介在細胞があります。前者の神経伝達物質にはガンマアミノ酪酸(GABA)、サブスタンスP、ダイノルフィン,エンケファリンがあり,これらが各々の投射部位である黒質網様質や淡蒼球で低下しています.介在細胞のなかの大細胞はアセチルコリンを神経伝達物質としており、大細胞の変性に並行して線状体でアセチルコリンが減少を示します。
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