優性遺伝のため両親や祖父母のどちらか、あるいは同胞が罹患しており、患者自身が見たり聞いたりしている場合もあり、病初期の病識が保たれている時には鬱状態となったり精神的に動揺したりすることがあります。このような場合、精神的援助が必要です。また家族は、患者への心配と同時に子供が保因者であるかどうか、将来発病するかどうかという恐れ、今後の生活設計への不安など多くの問題を抱えることになります。このため家族特に配偶者への精神的援助も非常に大切です。
先に述べたように鬱状態となることがあり、このような場合は特に、自殺念慮の有無、不眠・食欲不振・抑鬱感情の有無に注意し、患者の表情や態度などをよく観察し、危険物を周囲に置かないようにするなどの注意が必要です。そして家族にもよく説明しておくとともに、抗うつ剤や向精神薬の投与により精神症状の改善を図る必要があります。また、そのような時期には、家族と共に医師、看護婦、保健婦、心理療法士、ソーシャルワーカーなどの側でも緊密な連絡を取りながら患者に対する心理的サポートを行う必要があります。
身のまわりのことに無頓着で身辺の整頓や清潔を保つことができなくなるので、その援助が必要となります。
末期には寝たきりとなり、褥創、感染症、拘縮などの合併症を来しやすくなるので、これらの予防のため体位の変換や全身状態の注意深い観察が必要となります。