多発性硬化症の原因は何ですか?

これまでに多くの研究がされてきましたが、未だに明確な「これ」と言うものはありません。おそらく幾つかの要素が発病に複合して関与していると考えられています。

先ず、ある個人、ある人種が多発性硬化症と言う病気にかかりやすい、という、この病気に対する遺伝的・体質的素因があります。多発性硬化症は日本人に比べ、欧米人には10倍以上多いのです。しかし、全く同じ遺伝子を持つ一卵性双生児の場合でも、多発性硬化症の患者の双生児の50%は多発性硬化症にはなりません。つまり、遺伝的体質・素因だけではない環境的要素が病気の発症に大きく関係しています。

ありふれた細菌やウイルスの感染があった場合、大多数の人は無事に治ってしまうのに対して、特定の素因を持つ人は、免疫反応に異常が起こり、多発性硬化症になったり、または自己免疫疾患と言われている他の病気を合併することがあります。多発性硬化症の発病に麻疹ウイルス、単純ヘルペスウイルス、EB ウイルス、レトロウイルス、また最近ではヒトヘルペスウイルス6などの感染が関連するという説があります。つまり、多発性硬化症になった人では、これらのウイルスに感染したとき、同時に脳・脊髄の髄鞘を攻撃する異常な免疫反応を起こしてしまうわけです。

感染する病気ですか?

特定の人に起こっている免疫異常が原因ですから、多発性硬化症の患者さんに接触しても「感染する」という現象は起こりません。


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