どのような症状がでるのですか

パーキンソン病の中核をなす4つの重要な症状以下の通りです。

  1. 振戦
  2. 筋強剛(固縮)
  3. 動作緩慢
  4. 姿勢反射障害
  5. その他の症状(自律神経障害突進現象歩行障害精神症状

この他にも種々の症状がでます。しかし、すべての患者さんにこれらの症状がすべてあるというわけではありません。また、これらの症状は左右のどちらかから出現してきて、両側にあったとしても、右か左かどちらかの側に症状が強いというのが一般的です。また、病気の初期では、上にあげたような症状がはっきりと自覚されずに、疲労しやすい、力が入らない、脱力感などとして自覚されることもあります。また、パーキンソン病では病気の進行とは無関係に、身体的、精神的ストレスで症状が増悪します。

病気の進行度をYahrの分類で行います

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進行して症状が最も出そろった時期のパーキンソン病の臨床症状について順に詳しく説明します。

振戦(しんせん)

振戦の絵 手、足、頭、上下肢、体全体などにおこるふるえのことです。左右どちらかに強いのが普通です。ふるえをおこす病気はいろいろありますが、パ-キンソン病のふるえは、動作をしていない時(安静時)に強くふるえ、動作をする時には消失したり、軽くなったりするのが特徴です。1秒間に4〜5回くらいのふるえで、手指におこるふるえで典型的な症状は丸薬を指で丸める仕草に似ています。
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筋強剛(きんきょうごう):筋固縮(きんこしゅく)ともいう

筋強剛の絵 これは患者さん自身が気付く症状ではありません。例えば、お医者さんが患者さんの前腕を肘のところで伸ばしたり、曲げたりした時に、お医者さんが自分の腕に感じる症状です。パーキンソン病の患者さんでは、お医者さんが患者さんの腕を屈伸した時に正常とは異なる抵抗を感じます。この抵抗を強剛といいます。筋強剛とは筋肉の緊張が高まっている状態のひとつで、強剛はパーキンソン病以外の病気でもあります。パーキンソン病の強剛で典型的な場合は、ギコギコとちょうど歯車のように感じます。そのためこのような強剛を歯車様強剛と呼んでいます。パーキンソン病を他の病気とくにパーキンソン症候群といわれる種々の病気と区別する時に重要な症状せす。
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動作緩慢(どうさかんまん):

動作緩慢の絵 動作が遅くなる、のろくなるという症状です。パーキンソン病ではすべての動作にあてはまり、歩行がおそくなり、歩幅が小さくなります(小刻み歩行)。着脱衣、寝返り、食事動作など日常生活すべてに支障をきたします。
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姿勢反射障害(しせいはんしゃしょうがい):

姿勢反射障害の絵 人間の体は倒れそうになると姿勢を反射的に直して倒れないようにする反応が備わっています。しかし、パーキンソン病の患者さんでは、立っている時、歩いている時、椅子から立ち上がろうとする時などに、この反応が障害されているために、立ち直りができずに倒れてしまいます。こうした症状のことを言います。倒れはじめると、止めることができず、また動作緩慢もあり腕などで保護することができないため、大けがをすることもあります。
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そのほかに以下のような症状がでます。

自律神経障害(じりつしんけいしょうがい):

副交感神経の緊張と交感神経の部分的な緊張からいろいろな自律神経症状が出現します。便秘が最も多い症状ですが、発汗過多、流涎(よだれ)、あぶら顔、起立性低血圧(立ちあがる時は通常血管が収縮して血圧がさがらないように自律神経が働きますが、自律神経に障害があると血圧が下がってしまい、ひどい時には失神します。)、排尿障害、インポテンスなどの症状があります。
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姿勢異常:

体幹や頚部が前屈姿勢となり、肘や膝が屈曲した姿勢になり、手や指の変形が見られることもあります。
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突進現象(とっしんげんしょう):

前方でも後方にでもちょっと押されただけで、踏みとどまることができずに、押された方向にとんとんと突進していく現象をいいます。ひどい場合には倒れてしまいます。
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歩行障害:

歩行が遅く、足をひきずり、歩幅がせまく(小刻み歩行)、自然な上肢の振りがみられない。また、最初の一歩がなかなか踏み出せない(すくみ足)、歩きだすと早足となってしまい止まることができない(加速歩行)といった歩行障害が認められます。狭い場所や方向転換時に特に症状が強くでやすい。しかし、平地ではちょうど歩幅にあった横線などが床にあると、それを上手にまたぎながら歩行ができる、また、階段なども比較的上手に歩行できるといった特徴があります。
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精神症状:

抑うつ的で、なににでも億劫がり依頼心が強くなる場合が多いようです。時には抑うつ症状が病気の初期から強く、他の症状を自覚できないため、精神科を最初に訪れることもあります。不眠の訴えも多い症状です。
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そのほか
まばたきが少なく、仮面をかぶったように表情のない顔つき(仮面様顔貌)、小声で単調な抑揚のない話し方(構音障害)になりますが、言葉の最後の方が特に小さくなり、口の中でもごもごとした判り難い話し方になります。また、食事の咀嚼や飲み込みが遅く下手になる(咀嚼、嚥下障害)、字に力がなく小さく、書くにしたがって益々文字が小さくなる(小字症)などの症状が認められます。
パーキンソン病での言語障害に対するリハビリテーション
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病気の進行と重症度

何も治療をしない場合には以下のような経過をとります。また、この経過を患者さんの重症度として、診療に応用しています。

Yahr(ヤール)の重症度分類

Stage
1, 2 , 3 , 4, 5 の五段階にわけられています。以下具体的に示します。 Stage 1
Stage 1の絵 一側性障害で体の片側だけ振戦や強剛を示す。日常生活にほとんど介助を要さない。

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Stage 2
Stage 2の絵 両側性の障害で、姿勢の変化がかなり明確となり、振戦、強剛、動作緩慢とも両側にあるため日常生活がやや不便である。

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Stage 3
Stage 3の絵 明らかな歩行障害がみられ、方向転換の不安定など立ち直り反射障害がある。日常生活の動作にもかなり障害がみられ、突進現象もはっきりと認められる。日常生活には一部介助が必要となる。
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Stage 4
Stage 4の絵 起立や歩行など日常生活の動作が非常に困難となり、労働能力は失われる。
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Stage 5
Stage 5の絵 自力での日常生活動作は不能で、介助による車椅子での移動または寝たきりとなる。日常生活では全面的な介助を必要とする。
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