遺伝子異常 ↓ 筋膜の異常 ↓ 細胞外液のCaイオンの細胞内への流入 ↓ Ca依存性中性プロテアーゼの活性化 ↓ 筋原線維(Z帯蛋白を中心として)の融解 ↓ 筋蛋白の分解 ↓ 細胞壊死 ↓ 再生<筋ジストロフィー成因の生化学的仮説>
1985年にアメリカのクンケルらにより筋ジストロフィー遺伝子が発見され、1987年にはこの遺伝子が作る蛋白質はジストロフィンと命名され、1988年にはこの蛋白質は筋細胞の内側にある膜である形質膜の直下に存在することが日本の荒畑らにより発表されました。
ジストロフィンの一方の端は筋肉細胞のなかにあるアクチンという蛋白質に結合し、他の端は形質膜に存在するDAG(ジストロフィン 結合糖蛋白)に付着しています。DAGのうち50Kの蛋白質(アダリン)が欠けることにより重症小児型常染色体劣性遺伝型筋ジストロフィーが発生することが1992年に確かめられ(松村らによる)、1994年には形質膜の外側にある基底膜に存在するメロシンという蛋白質の欠損症が発見されました。形質膜直下に存在するジストロフィン、形質膜に存在するアダリン、そして基底膜のメロシンまでの一連の蛋白質異常により筋ジストロフィーと呼ばれる病気が引き起こされることが、遺伝子や蛋白質レベルで明らかになりつつあるところです。
<ジストロフィンと膜蛋白質の関係>
ジストロフィンは一方で筋原線維の構成蛋白であるアクチンと結合しており、他端は形質膜に存在するDAG と結合している。DAGは基底膜のラミニンM(メロシン)と結合している。この一連の蛋白質の異常により多くの筋ジストロフィーの原因が説明可能となってきています。
この項の初めにもどる
進行性筋ジストロフィー症の目次にもどる
神経難病の目次(ホームページ)にもどる。