どのような種類が脊髄小脳変性症にはありますか?

遺伝性のもには脊髄型のフリードライヒ失調症(脊髄型)のほか、メンツエル型(脊髄小脳型)、ホームズ型(小脳型)などがありましたがその中から近年、SCA1、SCA2、マシャド・ジョセフ病(SCA3ともいう)、SCA4、SCA5、SCA6、SCA7、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)などの疾患が分離され、遺伝子異常の部位が明らかになってきました。一方、オリーブ橋小脳萎縮症(OPCA)、晩発性小脳皮質萎縮症(LCCA)などの遺伝性の明らかでないものがあります。

孤発性」という用語は、たまたま同一家族内に1人しか発症者がない遺伝性の疾患に対して用いられ、遺伝性でない疾患には用いられません。

臨床病型と遺伝子型との対比
疾患名遺伝性遺伝子座遺伝子名遺伝子異常
SCA1AD6p22-p23ataxin-1CAG repeat
SCA2AD12q24.1ataxin-2CAG repeat
マシャド・ジョセフ病AD14q32.1MJD1 geneCAG repeat
SCA4AD16q22.1  
SCA5AD11p11-q11  
SCA6AD19p13α1A-電位依存性CaチャネルCAG repeat
歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)AD12p13.31atrophinCAG repeat
SCA7AD3p12-p13ataxin-7CAG repeat
SCA8AD10q23-q24 CTG repeat, noncoding
SCA10AD22q13 ATTCT repeat, noncoding
SCA11AD15q14-q21.3  
SCA12AD5q31-q33 CAG, noncoding
SCA13AD19q13.3-q13.4  
SAC14AD19q13.4  
SCA15AD6q27 CAG repeat
フリードライヒ失調症AR9q13-q21.1frataxinGAA repeat
家族性痙性対麻痺AD,AR,XR   
オリーブ橋小脳萎縮症
(OPCA)
 

AD: 常染色体優勢遺伝、 AR: 常染色体劣性遺伝、 XR: X染色体劣性遺伝


 脊髄小脳変性症の遺伝子異常

遺伝形式の解説



臨床病理学的な見地からの分類
病型病変部位遺伝性のもの非遺伝性のもの
脊髄小脳型脳幹、小脳求心路、
小脳皮質の変性
SCA1
SCA2
SCA7
OPCA
小脳脊髄型脳幹、小脳遠心路の変性マシャド・ジョセフ病
DRPLA
 
純粋小脳型小脳皮質の変性SCA5
SCA6
LCCA
脊髄型脊髄の変性フリードライヒ失調症
家族性痙性対麻痺
 

MRI所見の代表例 (マシャド・ジョセフ病  DRPLA )

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マシャド・ジョセフ病

常染色体優性遺伝のため、家族性に発症します。眼振が著明で、小脳症状のほか、初期には腱反射の亢進などの錐体路症状を伴うことが多く、筋萎縮・筋力低下を伴うことも多いですが、明らかな痴呆を欠きます。びっくり眼という特異な顔貌も多くみられます。ジストニー姿勢ないしジストニー・アテトーゼ様運動といわれる不随意運動を伴うことが多い。初期には自律神経症状(起立性低血圧、排尿障害など)を生じることは少なく、症状の進行は非常に緩徐で、20年以上も生存する方が多いようです。
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SCA1

常染色体優性遺伝のため、家族性に発症します。眼振が著明で、小脳症状のほか、初期には腱反射の亢進が多く、マシャド・ジョセフ病の病像に似ていますが、顔面、舌筋の萎縮は少なく、ジストニアもみられません。一方、緩徐眼球運動(眼球を左右上下に速く動かすことが出来ず、眼球がゆっくりと動く)は高頻度で、眼筋麻痺もみられます。やはり、症状の進行は非常に緩徐で、20年以上も生存する方が多いようです。この項の目次へ戻る

SCA6

常染色体優性遺伝で、家族性に発症します。眼振がみられ、小脳症状がみられますが、他の症状(錐体路、錐体外路症状)はあまりみられず、筋肉の萎縮もみられませんが、振戦様の不随運動のあることがあります。症状の進行は非常に緩徐です。 この項の目次へ戻る

歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)

常染色体優性遺伝ですが、小児期より老年期までの何れの年齢でも発病します。ミオクロ−ヌス、てんかん発作、小脳性運動失調、舞踏運動、痴呆などの症状がさまざまに組み合わさって現れ、同一家系でも全く異なる病像を呈することがあります。従って、臨床経過もさまざまで、一概には言えませんが、発病後20年以上にわたる長期生存者も少なくありません。この項の目次へ戻る
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SCA7

常染色体優性遺伝によります。小児期より老年期までの何れの年齢でも発症し、小脳性運動失調のほかに、網膜変性による視力障害、外眼筋麻痺、緩徐眼球運動(眼球を左右上下に速く動かすことが出来ず、眼球がゆっくりと動く)、錐体路障害などの症状を生じます。 この項の目次へ戻る

SCA2

臨床症状の中心は、小脳失調と緩徐眼球運動(眼球を左右上下に速く動かすことが出来ず、眼球がゆっくりと動く)、四肢の腱反射の消失ですが、病気が進行すると眼筋麻痺、舞踏アテトーゼ運動を生じることが多いようです。眼振はまれで、筋萎縮などは目立たず、自律神経症状(排尿障害など)はあまり生じません。痴呆あるいは精神的変調を生じるものもあるようですが、病気の進行は遅く、30年以上にわたる長期生存者もあります。 この項の目次へ戻る

オリーブ橋小脳萎縮症(OPCA)

歩行時のふらつきなどの小脳症状のほかに、筋強剛や無動などの錐体外路症状と、起立性低血圧、排尿障害、発汗障害など自律神経の障害を伴います。錐体外路症状を主とする線条体黒質変性症や、同じように自律神経が著明に障害されるシャイ・ドレーガー症候群と臨床的にも病理学的にも類似点が多く、これらの疾患の合併または移行型と考えられる症例もありますので、それら全部を含めて多系統変性症と言うこともあります。
オリーブ橋小脳萎縮症に関する講義(新潟大学脳研究所神経内科)

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フリードライヒ失調症

常染色体性劣性遺伝の病気です。歩行時のふらつきで始まります。上肢の方にも多少の運動失調が現れてきますが、下肢に比べて軽度であり、病気の進行は極めて緩徐です。腱反射は消失し、閉眼により体の動揺が激しくなり、夜間など暗いところでは特に歩行が困難になります。神経症状のほかに特有な足の変形、脊椎の側弯などの骨の変形があります。病気の進行が極めて遅いので、発病後 20年以上も生存されることも少なくありません。 
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家族性痙性対麻痺

非常にまれな疾患です。遺伝的には、色々なものが含まれており、常染色体優性、常染色体劣性、X染色体劣性などの家系が報告されています。

主に下肢の痙性歩行障害を生じますが、病気の進行は数十年にわたり非常に緩徐に進み、膀胱障害と後索の障害(脊髄性の運動失調)を生じるものがあります。また、家系によっては網膜色素変性症、魚鱗症、精神発達遅滞などの症状を伴うものもあります。 この項の目次へ戻る


MRI所見の代表例(DRPLA)


国立療養所犀潟病院神経内科、MAGNEX 150HP(島津製作所製)にてMRI撮像, T2強調画像、矢状断および軸位断(1から4)
MRI写真MRI写真MRI写真MRI写真病気の説明へ

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MRI所見の代表例(マシャド・ジョセフ病)


国立療養所犀潟病院神経内科、MAGNEX 150HP(島津製作所製)にてMRI撮像、T2強調画像、矢状断、軸位断(1から4)
MRI写真MRI写真MRI写真MRI写真MRI写真病気の説明へ
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